キューブの判断基準

一言で判断基準と述べてしまいましたが、具体的にどう進めていきましょう。

 

“バックギャモンブック”によると、4つの○で判断すべきとあります。もちろん、間違っているわけではありませんが、ポイントマッチに関して言えば、私は不満が残りました。ポイント状況に対する客観的な判断基準が無かったためです。(もちろん方向性については、記述があります。)ポイント状況については、マッチ勝率表が答えを出してくれるかもしれません。

 

この表によると、ゲーム開始時のマッチ勝率がわかります。但し、表を覚えても、ゲームの途中でアクションを考えることは至難の業です。(実際、私はあきらめております。)そこで、判断基準としては、キューブアクションを起こしたい(起こされた)場面について、自分の勝率、ギャモン率、ポイント状況から、判断をしたいと考えました。勝率だけではなく、ギャモン率を考えることで、ポイント状況によってギャモン勝ちの寄与が変わってくるかを体感することが出来ます。

 

判断に関しては、キャッシュポイント(CP)を重要視しました。CPはダブルをしたときにテイクするかパスするかのラインです。このポイントより超えた場合はパスすればよいし、越えない場合はテイクすれば良いと判断できます。ダブルするかどうかのポイントについても考えた方がよいのかもしれませんが、CPを目安にすれば、大体わかるのではないかと考えました。ギャモン勝ちの価値についてはどうでしょう。ギャモン勝ちの価値を示すものにギャモンバリュー(GV)があります。この値をもとに修正した値(拡張ギャモンバリュー(EGV)とでも名付けておきましょうか)を用いて、ポジションでのイクイティーっぽいものを計算します。

    勝率 + ギャモン率 × EGV

この値があらかじめ決めておいたCPに届いているかで判断します。

 

一般的に定義されるCPでは、ギャモン勝ちが多くなる程、CPは下がってきます。(そうでなくては、ギャモン勝ちが及ぼす影響は無いということになりますよね。)CPがギャモン率の関数であることは、計算上都合悪いので、出来るだけ一定に出来るようなCP(ECPとします)を新たに定義しなおして、その考慮分はEGVに持たせるように考えました。

 

つまり、覚えておかなければならないものは、ポイント状況に応じたEGV,ECPとなり、ポジションで判断しなくてはならないものは、勝率とギャモン率となります。これなら、計算も最小限ですので、私にも可能かと思わせます。

 

EGVとECPについては、覚えておく必要があります。しかしながら、また問題が、、、私は計算も苦手ですが、覚えるのも苦手です(泣)。そのため、せっかく計算して求めた表はありますが、覚え切れません。どうせ、勝率やギャモン率の見積時に(私の実力では)誤差は出るので、細かいところは丸めてしまい、表とすることにしました。

 

それが、以下の表(5ポイントマッチ、簡単バージョン)となります。

ECP

  2 away 3 away 4 away 5 away
2 away 0.7 0.75 0.8 0.8
3 away 0.75 0.75 0.8 0.8
4 away 0.8 0.8 0.8 0.75
5 away 0.8 0.8 0.8 0.8

EGV

  2 away 3 away 4 away 5 away
2 away 0 0 0 0
3 away 0.4 0.3 0.2 0.2
4 away 1 0.75 0.5 0.5
5 away 0.75 0.5 0.5 0.4

 

見方としては、縦軸はダブルする側のaway数(マッチ勝ちに必要なポイント)、横軸はダブルされる側のaway数となっています。簡単バージョンですので、世の中のマッチ勝率表と比べても、むちゃくちゃ簡単です^^。ギャモン勝ちが全く関係ないとき、つまり、2away側からのダブルでは、マッチ勝率表の方が当然正確ですので、覚えている人はそちらを使った方がよいでしょう。

 

スコアが負けている方(トレーラー)からのダブルでは、ECPは変化無くても、EGVが大きく変化していることがわかります。最も大きいところは、4away-2awayで1となります。このスコアでは、単純化すると、20%のギャモン勝ちがあれば、60%の勝率がテイクパスのボーダーとなるので、越えてしまいそうなら、ダブルが正当化されます。

 

マッチが始まったとき(5away-5away)は、EGVが0.4ですので、30%のギャモン勝ちがある場合では、0.8-0.4*0.3=0.68で68%の勝率がボーダーとなります。

 

5ポイントマッチではリダブル(2から4へ)も考えておいたほうが良いでしょう。上の表では、リダブルの効果は入っているため、はじめは特に考えなくても構いません。ただし、リダブルの時には、他の表を使うだけです。

 

ECP

  2 away 3 away 4 away 5 away
2 away        
3 away   0.75 0.8 0.85
4 away   0.6 0.7 0.75
5 away   0.7 0.7 0.75

EGV

  2 away 3 away 4 away 5 away
2 away        
3 away        
4 away        
5 away   0.33 0.25 0.2

5ポイントマッチだと覚えるところが少なくて良いですね。使い方は同様です。